個人による持込荷物の制限について
目次
1.概要
販売を目的としておらず、もっぱら自分で使用するためだからといって、あらゆるものを外国に持ち込めるわけではありません。持ち込み制限に関しては、各国で規定がありますが、関税同盟(ベラルーシ、カザフスタン、ロシア)の関税領域に物品を持ち込む場合、関税同盟関税法典第49章『個人使用のための商品の移動の特例』、2010年6月18日合意『自然人による個人使用のために関税同盟の税関上の国境をまたぐ商品の移動、及びその持出しに伴う税関業務実施手順』(以下、本トピックでは「合意」)にその定めがあります。
「個人的に使用するものである」と認められた場合、非関税規制、技術規制の対象にはなりませんので、本サイトの認証ページで紹介しているような証明書の取得は必要ありません。
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2.「個人的に使用すること」とは
「個人的に使用する」物品であるかどうかは、以下の基準に沿って、税関側で判断します。
- 持込貨物についての申告
- 物品の性質及び量
- 荷物の持ち主の往来頻度、荷物持込の頻度
また、以下の物品はいかなる場合でも「個人的に使用するため」とは認められません。
物品名称 | HSコード | |
1 | 天然ダイヤモンド | 7102 |
2 | 関税同盟加盟国法で輸出関税が設定されている輸出商品。但し、以下を除く。
- 5kg以下の魚、水産物(チョウザメ類の魚卵を除く) - 250g以下のチョウザメ類の魚卵 - 個人使用のための輸送機器の通常の燃料タンクに含まれる燃料、及び個別容器に入れられた10l以下の燃料 - 課税価格が25,000米ドル相当を超える輸出貴金属及び宝石(貴金属及び宝石の課税価格には、以前自然人によって関税同盟に持ち込まれた価額及び一時的に関税同盟から持ち出される貴金属及び宝石の価額は含まれない) | 0301 - 0304, 0306 1604 30 100 0 2710 11 410 0 - 2710 11 590 0 2710 19 410 0 - 2710 19 490 0 第71類 |
3 | セントラルヒーティングのボイラー | 8403 10 |
4 | 内燃エンジン、ただし船舶用のエンジンを除く | 8407 |
5 | 刈り取り機(芝刈り機、公園又は運動場用刈り取り機葉除く)、干し草作り、収穫用の機械、脱穀用の機械又はメカニズム、藁及び干し草を束にするためのプレス機、卵、果実又はその他の農産物の洗浄、選定又は校正のための機械 | 8433 90 |
6 | 機械、メカニズム、設備 | 8434 - 8442, 8444 00 - 8449 00 000 0, 8453 - 8466, 8468, 8474 - 8480, 8486, 8514, 8530, 8534 00, 8535, 8545, 8548, 9024, 9027, 9030, 9031 |
7 | 日焼け用の日光浴室 | 8543 70 510 1, 8543 70 550 1 |
8 | トラクター、駆動付特殊目的輸送機器(貨物又は乗客輸送用に使用されるものを除く)、産業用自走式輸送機器(昇降・荷役装置を装備していないもの) | 8701, 8705, 8709 |
9 | 自動車輸送用のトレーラー | 8716 39 |
10 | 船舶、ボート及び浮体構造(レジャー及びスポーツ用のヨット及びその他の浮体構造、手漕ぎボート及びカヌーを除く) | 第89類 |
11 | 医療機器及び医療設備(道中使用するため又は健康上の理由のため必要なものを除く) | 9018,9019,9022 |
12 | 写真暗室用の装置及び設備 | 9010 |
13 | 実物説明用のみに適する機器、装置及び模型 | 9023 00 |
14 | 医療用、外科用、歯科用又は獣医用の家具、理髪用の椅子及び類似の椅子。それらの部位 | 9402 |
15 | 貨幣、紙幣、キャッシュカード、メダル又は類似支払い手段によって作動するゲーム機 | 9504 30 |
16 | 関税同盟加盟国の法により、輸出規制の対象となっている物品 |
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3.持込が禁止されているもの
以下の品物は、個人使用のための持込が禁止されています。
関税同盟の領域に入るときには1、3の項目に、出るときには1、2の項目に該当していないかを確認します。
1 | 持込手段を問わず、税関上の国境を超えての移動が禁止されているもの |
---|---|
1.1 | 関税同盟の関税領域への持込、領域からの持出し、領域の通過が禁止されている印刷、録音録画、その他の情報媒体での情報 |
1.2 | 関税同盟の関税領域への持込、領域からの持出し、領域の通過が禁止されている軍用・民間用の武器、その基本構造及び薬包 |
1.3 | 持込が禁止されている、並びに(あるいは)持込及び(又は)持出し時に税関上の国境を超えての移動が制限される危険廃棄物 |
1.4 | 関税同盟の関税領域への持込及び持出しが制限される情報の不正入手のための特殊技術機器 |
1.5 | 麻薬の前駆物質及び向精神薬ではない毒物で、税関上の国境を超えての移動が制限されているもの |
1.6 | 麻薬、向精神薬及びその前駆物質(ただし、しかるべき文書がある場合に限り、健康上の理由により、個人的に適用するための医薬品としての麻薬及び向精神薬の限定量、また、関税銅加盟国家法規で定められた量での前駆物質を除く) |
1.7 | 持込及び(又は)持出し時に税関上の国境を超えての移動が制限された人体の器官及び(又は)組織、血液及びその成分 |
2 | 手段を問わず、持出しが禁止されているもの |
2.1 | 鉄及び非鉄金属の廃棄物及び鉄くずで、輸出及び(又は)輸入時に数量制限が設定されている商品リストに含まれるもの |
2.2 | 関税同盟関税領域からの輸出が制限されている未加工の貴金属、貴金属くず、貴金属鉱石及び貴金属凝縮物、貴金属を含む原料商品 |
2.3 | 持出し時に税関上の国境を超えての移動に対する制限がある鉱物資源(未加工の天然原石) |
2.4 | 鉱物資源に関する情報で、持出し時に税関上の国境を超えての移動に対する制限があるもの |
2.5 | 輸出時に税関上の国境を超えての移動に対しての制限があり、商品1種類につき3部を超える数量の原生の医薬品原料(植物、植物の部位、種、果実) |
2.6 | 輸出時に税関上の国境を超えての移動に対しての制限があり、商品1種類につき3部を超える数量の野生動物及び個別の原生植物(狩猟・釣での戦利品を除く) |
3 | 手段を問わず、持込が禁止されているもの |
3.1 | 関税同盟の関税領域への持込が禁止されているオゾン破壊物質 |
3.2 | 植物保護剤で、関税同盟関税領域への持込が禁止されており、2001年5月22日残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の付属書A及びBの適用が及ぶもの |
3.3 | 海棲生物資源の捕獲(漁獲)道具で、関税同盟の関税領域への持込が禁止されているもの |
3.4 | 総量が1人(18歳以上の者)当たり5リットルを超えるエチルアルコール及びアルコール製品 |
3.5 | 200本を超える紙たばこ又は50本を超える葉巻、又は250gを超えるタバコ、あるいは1人(18歳以上の者)当たりの総量が250gを超えるこれらの製品の組み合わせ |
4 | 国際郵便での持込・持出しが禁止されているもの(上記1-3への補足) |
4.1 | アルコール製品、エチルアルコール、ビール |
4.2 | たばこ製品(種類を問わない)及びブレンドたばこ |
4.3 | 種類を問わず、武器(その部位)、その薬包(その部位)、民間用・軍事用の武器に構造的に類似した製品 |
4.4 | 放射性物質 |
4.5 | 文化的価値のあるもの |
4.6 | 腐敗の早い商品 |
4.7 | 生きた動物(ハチ、ヒル、カイコは除く) |
4.8 | 種類・状態を問わず植物、植物の種 |
4.9 | 種類・状態を問わず宝石、天然ダイヤモンド(宝飾品を除く) |
4.10 | 麻薬、向精神薬及びその前駆物質(医薬品としてのものを含む) |
4.11 | オゾン破壊物質 |
4.12 | 万国郵便連合及び関税同盟の関税関連法に従い送付が禁止されているその他の商品 |
4.持込が制限されているもの
以下の商品は、個人使用のために持込、持出し、域内の移動が制限されています。
1 | 方法を問わず税関上の国境を超えるときに制限があるもの |
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関税同盟の関税領域への持込、関税領域からの持出しが制限されている暗号化装置(暗号機) | |
2 | 方法を問わず(国際郵便を除く)税関上の国境を超えるときに制限があるもの |
2.1 | 持込及び持出し時に税関上の国境を超えての移動に制限があるオゾン破壊物質 |
2.2 | 規定の文書がある場合に限り、限定された量の健康上の理由で個人的に適用するための医薬品としての麻薬及び向精神薬、関税同盟加盟国家によって定められた量での前駆物質 |
2.3 | 関税同盟の関税領域への持込、関税同盟の関税領域からの持出し、関税同盟の関税領域の通過が制限されている軍用及び民間用武器、その基本部位及ぶ薬包 |
3 | 方法を問わず持込時に制限があるもの |
民生利用の無線電子機器及び(又は)高周波装置(他の商品に組み込まれているものを含む)で、 関税同盟の関税領域への持込が制限されているもの | |
4 | 方法を問わず持出しに制限があるもの |
4.1 | 鉱物学及び古生物学的な収集品及び収集対象物で、持出し時に税関上の国境を超えての移動に制限があるもの |
4.2 | 1973年3月3日のワシントン条約の適用対象である野生の動物群及び植物群で、持出し時に税関上の国境を超えての移動に制限があるもの |
4.3 | アルメニア共和国、ベラルーシ共和国、カザフスタン共和国、キルギス共和国、ロシア連邦のレッドブックに記載されている希少で絶滅の危機にある野生動物及び野生植物、その部位及び(又は)派生物で、持出し時に税関上の国境を超えての移動に制限があるもの |
4.4 | 国立古文書保管庫の文書、古文書原本で、持出し時に税関上の国境を超えての移動に制限があるもの |
5 | 方法を問わず(国際郵便を除く)、持出し時に制限のあるもの |
文化的価値のあるもの |
参考資料
- СОГЛАШЕНИЕ от 18 июня 2010 года О ПОРЯДКЕ ПЕРЕМЕЩЕНИЯ ФИЗИЧЕСКИМИ ЛИЦАМИ ТОВАРОВ ДЛЯ ЛИЧНОГО ПОЛЬЗОВАНИЯ ЧЕРЕЗ ТАМОЖЕННУЮ ГРАНИЦУ ТАМОЖЕННОГО СОЮЗА И СОВЕРШЕНИЯ ТАМОЖЕННЫХ ОПЕРАЦИЙ, СВЯЗАННЫХ С ИХ ВЫПУСКОМ
- ТАМОЖЕННЫЙ КОДЕКС ТАМОЖЕННОГО СОЮЗА