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ロシア国内デジタルマーキング制度

目次

1.デジタルマーキング制度の概要と制度導入の背景

ロシア国内製品マーキングシステム「チェスニー・ズナーク(Honest mark, 真正マーク)」は、商品のデジタルマーキングとトレーサビリティの国内システムで、デジタル経済における国際的なプロジェクトを実現するために創設された先端技術発展センター(CRPT)が運営する、購入商品の真正と申告される品質を消費者に保証するための制度です。

ロシアでは非正規品(模造品、偽造品、密輸品)の問題がかなり深刻であり、違法取引は軽工業の分野では35%、香水市場では20%、医薬品においては10%に達するとされています。2018年の第1四半期では、違法たばこは前年の4,6%から7,7%に増加したという報告もされました。

ユーラシア経済連合(関税同盟)の認証制度(以下、EAC認証)が導入される以前に加盟国の国内法で規定されていた認証制度に基づいて必要な証明書を取得し、流通している製品に対しては、新しい統一認証制度への移行期間が製品の複雑さや製造者への負担具合を考慮した日数で定められています。

このような問題を解決するために、2017年プーチン大統領は、2024年までにデジタルマーキングシステムを創設するという政府決定を承認し、プロジェクトが始まりました。

現在、デジタルマーキングが義務付けられている製品は、以下になりまり、製品の市場特性を考慮し義務化導入手順が個別に規定されています。

  • たばこ
    (2019年7月1日からマーキングのない製品の出荷禁止、2020年7月1日からマーキングのない製品の販売禁止)
  • 香水(パルファム、オードトワレ)
    (2020年10月1日からマーキングのない製品の製造、輸入禁止)
  • ゴム製の空気タイヤ
    (2020年11月1日からマーキングのない製品の生産と輸入禁止、2020年12月15日からマーキングのない製品の取引禁止)

  • (2020年6月1日からマーキングのない製品の輸入、製造禁止、2020年9月1日からマーキングのない製品の販売禁止)
  • 医薬品
    (2019年10月1日から一部製品のマーキング義務化、2020年7月1日からすべての製品のマーキング義務化
  • 衣類等の軽工業品
    (2021年1月1日からマーキングのない製品の取引禁止、2021年1月1日までに販売されなかった商品在庫は2021年2月1日までにマーキングされなければならない)
  • 毛皮のコート
    (2019年6月1日からマーキングのない製品の販売禁止)
  • 写真機、閃光電球
    (2020年10月1日からマーキングのない製品の取引禁止)

デジタルマーキングの義務付け対象は段階的に拡大され、2024年までにはほぼすべての製品を義務付けることになるとされています。

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2.制度の仕組み

  • 製造者は商品にデジタルコードを付与する。国家によって委任された先端技術発展センターのオペレーターが、各商品に独自のコード(Data Matrix又はその他のタイプのマーキング)を付与し、製造者又は輸入者が商品パッケージにそれを貼り付けることになります。
  • 商品の全ルートが各段階で確認される。デジタルコードは、紛失したり偽造したりできないパスポートであるため、商品が工場から消費者に届くまでの各段階における全ルートを追跡することができます。
  • 商店で商品のコードをスキャンし、陳列する。棚に商品が並べられた時の商店でのコードチェック段階など、商品のサプライチェーンでの全移動過程が特定されることで、模造品が紛れ込む可能性を排除します。
  • 商品がレジで販売されると、システムにおいて《コードが流通過程から削除》される。オンラインレジで商品を販売することで、海賊品が販売されるのを防ぎます。
  • モバイルアプリケーションで商品に関する真実のすべてが確認できる。近々リリースされるアプリケーション「チェスニー・ズナーク」によって、合法性のチェック、商品に関するすべての真実を知ることができるようになり、“偽りのない”チェックされた高品質の商品のみを購入できるようになる。

Data Matrixコード

商品パッケージにData Matrixコードを配置することで、偽造品や密輸と効率的に闘うことができ、クリーンビジネスと消費者を保護し、国家による徴税効率を上げることができます。
Data Matrixコードは2つのパートに分けられます。システム及び商品統一カタログ上での商品の位置を特定する識別コードと、オペレーターがロシアの暗号化技術を使って作り出したチェックコードつまりCrypt-tailです。

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3.制度導入のメリット

ロシア政府は、この制度を導入することで、次のようなメリットが得られると想定しています。

消費者にとってのメリット

  • 合法かつ高品質の商品を確実に購入できる
  • 生命と健康を守る
  • 社会的規制と消費者保護のツール

業界にとってのメリット

  • クリーンビジネスの収入アップと競争力の向上
  • 工程の最適化と無駄の削減
  • サプライチェーンでの製品の流れに関するデータへのアクセス

国にとってのメリット

  • グレービジネスの削減と労働生産性の向上
  • 税、関税の徴収の向上
  • 商品市場管理に対する予算の節約

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4.制度導入によるインパクト

現段階ではデジタルマーキングは模造品や偽造品の被害の大きい製品に限定されて導入されているため、影響を受ける関係者は限られています。しかし、最終目標としてほぼすべての製品をマーキングするということを目指しているため、今後の動向に注意する必要があります。

導入方法、対応方法、必要な手続きなど製品ごとに個別化されているため、興味ご関心のある方は、詳細を調査いたしますのでこちらからお問い合わせください。

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参考資料

  • https://честныйзнак.рф

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